2024-01-01から1年間の記事一覧

南薩線

かつて、薩摩半島西側、日本三大砂丘の吹上浜沿いを縦走していた鉄道があった。私鉄線の南薩鉄道(通称南薩線)である。 南薩線が開通したのは大正3年(1914年)のこと。鹿児島本線(当時は川内線)の鹿児島県内での開通は、鹿児島駅~東市来間の大正2年(19…

ほめずが池、池大王神社、大塔宮

標高二百数十メートルの溝辺台地への斜面部中腹、鹿児島神宮の西側に当たる霧島市隼人町朝日集落には「不讃池(ほめずがいけ)という、ちょっと変わった名前の池がある。 旧隼人町教育委員会発行の「隼人町の民話」に、この池の話が収められている。 朝日に…

アマガエル

畑の溝を上げていると、アマガエルがぴょこんと飛び出し、岩壁に張り付いた。10数年ここで耕してきたが、アマガエルを見たのは初めてだった。 20年くらい前までは、アマガエルが家の窓ガラスに張り付いて、ペロリと舌を伸ばして、ウンカや蛾を食べていた。そ…

いぼの神様

インターネットで「いぼの神様」を検索していると、平松皮膚科医院の「いぼとり神様・仏様の全国リスト」という書の広告に行き当たった。 それによると「全国リストのいぼ神様・仏様は現在1321か所」とある。全国の市町村数が1700余りだから、平均で…

真言水天石柱塔

鹿児島神宮の近く、霧島市隼人町内山田地区には、水天を讃嘆する真言を刻んだ石柱塔が二基ある。 水の神様、水天(水神)の碑は頭にとぐろを巻いた蛇を被り、右手に蛇を持ったものや水神の文字を刻んだものが多いが、この真言水天石柱塔は、水天を表す梵字と…

鹿児島神宮の初午祭

鹿児島市のおはら祭り、曽於市の弥五郎どん祭りとともに、鹿児島の三大祭りの一つである「鹿児島神宮の初午祭」が、令和6年は3月3日の日曜日に行われる。 祭りの主役は、多くの鈴が連なった胸飾り、花や錦などで飾った鞍を着け、ステップを踏みながら踊る馬…

三ケ所の笠狭宮阯

私の住んでいる霧島市隼人町宮内は、彦火火出見尊の高千穂宮があったとされるところだ。そして、私の出身地の南さつま市加世田は、瓊瓊杵尊の笠狭宮があったとされる。個人的な想いに過ぎないのだろうが、こうしたことに、かねてから不思議な縁があると思っ…

宮内は田の神の空白地帯?

霧島市隼人町宮内の原集落に持ち回りの田の神像がある。大小様々、写真の5体は石像だが、他に木像が2体あり、七つの班がそれぞれの中で持ち回りしている。残念ながら、製造年や由来などは不明である。 私たちがこの原集落の田の神像のことを知ったのは、最近…

二千六百年記念事業 その2ー桑原屯倉(みやけ)址碑

霧島市隼人町見次の公民館裏手に「桑原屯倉址」という碑がある。 裏面には、概略「安閑天皇の時代に、この地に穀物倉の桑原屯倉が設けられた。思うに神代の皇室の縁のあるところだからである。この址は今、見次(貢)の地名になっている。桑原は後の郡名とな…